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管理はつらいよ お部屋編② G話、閲覧注意

・管理に関するあれこれ

田中 康寛

筆者 田中 康寛

不動産キャリア25年

詳細はクリックを

管理はつらいよ ※G話、閲覧注意


退去立会いに行ったら、ゴキブリと同居していた部屋だった話

今回は、

社員寮として法人契約していたワンルームの退去立会い

のお話です。

管理をしていると、

「これはなかなか経験できへんな……」

という出来事がたまにあります。

今回も、まさにそんな案件でした。



社員寮として2年間の法人契約

今回のお部屋はワンルーム。

企業さんが、海外から受け入れる従業員さんの社員寮として使用するということで、


法人契約で2年間の賃貸借契約

をしていました。

契約時に聞いたのが、

「2人で住みます」

とのこと。

ワンルームです。

正直、

「え?ワンルームに2人で住むの?」

とは思いました。

ただ、

会社側で管理する社員寮利用で、

条件等も確認したうえで審査OK。

そのまま2年間使用していただくことになりました。

ちなみに今回の話は、入居者さんの国籍とは全く関係ありません。

日本人でも外国人でも、

きれいに使う人もいれば、

そうでない人もいます。

今回は、

たまたまこの部屋で起きた管理会社の悲劇

として読んでください。



そして迎えた退去日

2年間の契約が終わり、

退去立会いの日がやってきました。

本来であれば、

会社の担当者さんにも立ち会ってもらう予定だったのですが、

当日、

「すみません、別の業務が入ってしまって、今日行けないんです」

との連絡。

「別日にできますか?」

と言われたのですが、

こちらもこちらで予定があります。

そこで、

「今日は私が先に室内を確認します」

「後日、必要があれば担当者さんにも確認してもらいましょう」

ということにして、

鍵は現地に置いておいてもらうことになりました。

ここまでは、

普通の退去立会いです。



現地到着

部屋の前に到着。

鍵を開けます。

すると、

なんでしょう。

この臭い。

腐った臭いでもない。

カビ臭いわけでもない。

タバコでもない。

なんとも言えない、

少し、にがいような、普段あまり嗅がない独特の臭い。

「なんやろ、この臭い……」

少し嫌な予感がします。

でも、

管理会社ですから。

逃げるわけにはいきません。

玄関を開けて、

室内へ。

すると、

床付近に、

何やら小さな影が動きます。

一匹。

二匹。

三匹。

……

いや、

待て待て待て。

ゴキブリ大量発生しとるやないかい!!!!!!

一瞬で状況を理解しました。

「おる」

じゃない。

めちゃくちゃおる。



でも、部屋自体はきれい

これがまた不思議なんです。

普通、

ゴキブリが大量発生していると聞くと、

「ゴミ屋敷だったのでは?」

と思いますよね。

ところが、

室内そのものは、

そこまで汚れていません。

床も比較的きれい。

壁も大きな汚れなし。

設備の破損も特にない。

普通に退去立会いだけ見れば、

「きれいに使ってくれてるな」

という状態。

……

いやいや。

部屋きれいに使っとるのに、

ゴキブリと同居すんなや(´;ω;`)

どういう生活やったんや。



とりあえず対策開始

さすがに、

このまま次の募集はできません。

近くのドラッグストアへ行って、

室内用の害虫駆除剤を購入。

部屋全体を処理することにしました。

※燻煙・くん蒸タイプ等の殺虫剤を使用する場合は、火災報知器や設備への対応、使用量、換気時間など、必ず製品の使用方法・注意事項に従ってください。

部屋を閉め、

処理開始。

そして私は、

逃げます。

これはもう、

薬剤が効くまで待つしかありません。

「頼むぞ……」

そう願いながら、

その日は撤収しました。



翌日

さて。

問題はここからです。

翌日、

再び部屋へ向かいます。

昨日まで数年間、人が普通に生活していた部屋です。

なのに、

玄関を開けた瞬間、

なぜか靴を脱ぎたくありません。

というか、

人が数日前まで寝泊まりしてた部屋に、

靴脱いで入られへん気持ちを

一生分かりたくなかったわ!

覚悟を決めて中へ。

すると、

床に、

点々と。

いや、

点々どころじゃない。

ざっと見ただけでも、

軽く3桁はいそうな数の死骸。

……

「これ、チャバネかな?」

「いや、形的にトルキスタン系かな?」

・・・冷静に種類判別してる場合ちゃうわ!!!

とにかく、

掃除です。



一人黙々とゴキブリ清掃

ほうき。

ちりとり。

掃除機。

ゴミ袋。

一匹、

二匹、

十匹、

二十匹……

もう数えません。

数えたら負けです。

ただ、

黙々と処理します。

そして、

頭の中では別の疑問が出てきます。

「これ、普通のゴミでええんかな?」

「こんな大量の死骸、どこ持っていくんや?」

「保健所に持っていったらええんか?」

「いや、保健所も困るやろ」

もう、

掃除しながら一人でずっと考えています。

管理業務って、

こんな仕事やったっけ。



そして、さらに追い打ち

一通り床の掃除が終わりました。

「よし……」

と少し安心します。

そのとき、

ふと思いました。

なんか、

部屋が暗い。

照明は点いています。

でも、

妙に暗い。

「電球切れか?」

と思って、

天井のシーリングライトを見上げました。

丸型のシーリングライトです。

下から見ます。

……

ん?

……

ちょっと待って。

シーリングライトの底に、

ゴキブリの残骸めちゃくちゃ溜まっとるやないかい!!!

しかも、

光が遮られるくらい。

そら暗いわ。

思わず、

「なんやねんこれ」

「ゴキブリの死骸で間接照明みたいになってるやんけ」

「こんな体張ったおしゃれ空間いらんねん!」

……

などと一人でツッコんでいましたが、

さすがにここで、

心が折れました。



さて、どうする

床にもいる。

隙間にもいる。

照明器具にもいる。

おそらく、

まだどこかにもいる。

そして、

これを全部、

私がやる?

……

いや。

無理。

考えます。

……

……

……

ピコーン

ひらめきました。

困ったときの浅野さんや♡

それしかありません。



お掃除のプロ、浅野さん登場

知り合いのお掃除業者、

浅野さんへ電話。

「もしもし、田中です」

「退去後の部屋の清掃お願いしたいんですけど」

「ちょっとゴキブリがいてるみたいなんで」

「こちらで先に害虫処理しておきますから、後よろしくお願いしまーす♡」

できるだけ、

何事もなかったかのように発注。

詳細は、

あえて深く言いません。

言ったら断られる可能性があります(笑)

こうして、

プロへの引継ぎに成功。



後日

清掃が終わったころ、

浅野さんに会いました。

浅野さん、

開口一番。

「まあ仕事やしな」

「しゃーないっちゃ、しゃーないねんけど……」

「凄かったで(笑)」

……

私は、

「何が?」

とは聞きませんでした。

聞く勇気がありませんでした。

人には、

知らなくていいこともあります。



さらに後日、弟と話していたら

私の弟は工務店をしています。

ある日、

今回の話をしました。

「退去した部屋でな、ゴキブリめちゃくちゃ出てな……」

すると弟。

「あー、あるある!」

……

あるあるなんかいw

弟が以前入った部屋でも、

大量発生していたことがあったそうです。

しかも、

ゴミ屋敷状態。

そして弟が言いました。

「普通、ゴキブリって人間見たら逃げるやん?」

「そこのゴキブリな」

「人見たら寄ってきよんねん」

……

それもうペットやん。

弟いわく、

その部屋には、

普通に入居者さんが住んでいたそうです。

「人が住んでる部屋に土足で入ったん、初めてやわ」

「貴重な経験したで(笑)」

……

兄弟そろって、

何の経験積んでるんでしょうか。



管理会社は「見たくないもの」も見る仕事

賃貸管理という仕事は、

家賃を集金して、

募集をして、

契約書を作って、

終わりではありません。

水漏れ。

ゴミ。

騒音。

設備故障。

退去。

残置物。

そして時には、

大量の害虫。

誰かが対応しなければなりません。

当然、

「嫌やなあ」

と思うこともあります。

でも、

物件を預かっている以上、

そのまま放置するわけにはいきません。

次の入居者さんが、

安心して住める状態に戻す必要があります。



だから退去後の確認は大切

今回、

室内自体は一見きれいでした。

壁紙も、

床も、

大きな破損はありません。

それだけを見れば、

原状回復費もそれほどかからないように見えます。

でも、

実際には、

害虫が大量発生している

という別の大問題がありました。

退去後は、

単に傷や汚れを見るだけではなく、

臭い、

換気、

水回り、

設備内部、

収納、

照明など、

いろいろ確認する必要があります。

「見た目がきれい=問題なし」

とは限りません。



管理はつらいよ

今回も、

契約から2年間、

特に大きなトラブルの連絡はありませんでした。

そして退去。

「きれいに使ってくれていたな」

で終わる予定でした。

まさか、

最後の最後に、

ゴキブリ百匹単位との退去立会い

になるとは思っていませんでした。

しかも、

最終的には清掃業者さんへバトンタッチ。

そして工務店をしている弟に話したら、

もっと凄い話が返ってくる。

管理会社も、

工務店も、

清掃業者も、

みんな色々あります。

そして共通しているのは、

責任ある立場になると、誰かがやらなあかん

ということ。

若いころなら、

「無理無理!」

と逃げられたかもしれません。

でも、

おじさんになると、

会社があって、

お客さんがいて、

預かっている物件がある。

逃げられません。

おじさん連中は、

変に責任ある立場やから逃げられへんねん。

これが今回の結論です。

管理はつらいよ。

……

次の退去立会いでは、

できれば普通の汚れだけでお願いします。

ちゃんちゃん。

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