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相続登記が未登記だとどんな問題点がある?放置リスクや対策方法も解説

相続未登記は困る?

田中 康寛

筆者 田中 康寛

不動産キャリア25年

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相続した不動産の登記が未了のまま放置されているケースは、意外と多いのが現状です。「もし相続登記をしないままでいると、何か問題が起きるのだろうか?」と疑問を持つ方もいるでしょう。実は、登記が未了のままだと想定以上の法的・実務的なリスクが発生する可能性があります。この記事では、相続登記が未登記の場合にどのような問題点やリスクがあるのか、そして未登記を解消するための流れまで、分かりやすく解説します。

相続登記が未登記のままになっている状態とは

「相続登記が未登記のまま」というのは、不動産を相続していても法務局に所有権の名義変更がされていない状態を指します。これは建物や土地が存在し、固定資産税の課税対象になっていても、登記簿上では被相続人の名義のまま放置されているケースが少なくありません。たとえば建築確認を得て建てられた建物であっても、表題登記がなされていないと、登記簿に登録されず行政側でその存在が把握されないことがあります。

このような状態が放置される背景には、相続登記がこれまで任意とされてきた点がありました。しかし、2024年4月1日からは相続登記が義務化されました。相続人が不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行う必要があり、正当な理由なく申請を怠った場合には10万円以下の過料が科せられる可能性があります。

つまり、未登記というのは単に名義が旧名義のままというだけでなく、法的リスクや手続きの複雑化、将来的な制約を引き起こす可能性がある状態を示しています。義務化の流れの中で、放置された未登記不動産の名義変更が社会的にも重要な課題となっているのです。

項目内容補足
未登記状態名義が被相続人のままの登記未了状態固定資産税通知があっても登記なしのことがある
義務化開始2024年4月1日から相続登記が義務化相続を知った日から3年以内の申請が必要
罰則正当な理由なく未登記のままだと10万円以下の過料制度開始後、啓発優先で罰則適用は限られる

未登記のままにした場合に生じる法的リスク

2024年4月1日から施行された相続登記の義務化により、不動産を相続で取得した際には「相続を知った日」または「遺産分割成立日」から3年以内に登記申請を行う必要があります。これを怠ると、正当な理由がない限り10万円以下の過料が科される可能性があります。

未登記のままだと、登記名義人が故人のままであるため、相続人が所有権を第三者に対して主張できない問題が生じます。法務局も、長期間にわたる未登記の状態が相続関係を複雑化させ、権利関係の解決を困難にするケースが増えていると注意を呼びかけています。

さらに、相続人が増えるほど、必要書類の準備や証明手続きが難しくなり、時間や費用がかさむリスクが高まります。特に未登記建物では、表題登記すらされていないため、相続登記以前の手続として土地家屋調査士による現地測量や調査が必要になるなど手続きは煩雑です。

リスク項目概要具体的影響
過料(罰則)相続登記を3年以内にしなければ科される可能性最大10万円以下の過料
第三者への主張困難登記名義人が故人のままでは権利を示せない売買や担保取得が制限される
手続きの複雑化相続人増加・書類紛失などで難易度上昇時間・費用・労力が増大

未登記建物を放置することで生じる実務上・社会的デメリット

未登記状態のまま建物や土地を放置すると、売却や融資などの取引場面で大きな制約が生じます。登記がないため、担保としての利用ができず、金融機関や買主から信用性の低い物件と判断されて、融資の利用や売買交渉が困難になることが多くあります。また、空き家化した場合には管理責任が重くのしかかり、倒壊や火災、害獣の被害などの災害リスクが増し、所有者は損害賠償や行政代執行の対象になる可能性があります。さらに、地方では固定資産税の軽減措置が解除される「特定空家」に指定され、税負担が最大で約6倍に増加するケースもあります。加えて、「所有者不明土地」として社会的な問題にも発展しやすく、近隣住民の迷惑や自治体の行政負担を増やす要因にもなります。

項目内容影響例
売却・融資登記がないため担保や信用として認められない融資不可、取引困難
管理責任倒壊や火災・害獣被害などのリスク増損害賠償、行政措置の可能性
税金負担特定空家に指定され税負担増固定資産税が最大約6倍に

まず、登記されていない物件は、第三者に対して法的な所有権を証明できず、売却や融資をする際に明確な障害になります。担保設定ができないため金融機関からの評価が低くなることがあり、不動産取引上非常に不利になります。これは、未登記のままでは所有権が明確にならず、取引の安全性が担保されないためです。

次に、空き家となった未登記建物は管理責任を問われるケースが多くあります。老朽化による倒壊や火災、害獣・害虫の発生などによって近隣に被害が出た場合、民法上の損害賠償責任を負う可能性があり、行政による強制的な措置を受けることもあります。

さらに、固定資産税の軽減を受けられる住宅用地特例が取り消される「特定空家」に指定されると、税額が最大で約6倍に跳ね上がることが多いです。特に地方では本来管理しにくい環境も相まって、管理費用や税負担が急増し、所有者にとって大きな経済的負担となります。

加えて、相続登記がされないまま放置されると、所有者が不明な土地が拡大し、社会的課題になることがあります。こうした「所有者不明土地」は、近隣住民に迷惑をかけたり、自治体の再開発や防災計画を妨げる原因になり、公共的にも深刻な影響をもたらします。

未登記の状態を解消するための基本的な手続きの流れ

未登記建物を相続した場合、まず行うのが「表題登記」によって建物の存在を登記簿に記録する手続きです。不動産登記法により、新築または未登記の建物を取得した者(相続人を含む)は、取得の日から1ヶ月以内に表題登記を申請しなければなりません。測量や現地調査は土地家屋調査士が担当し、建築年月日、構造、用途、面積などが登記簿に登録されます。これにより、法務局上で建物の「存在」が正式に認められます

次に、「所有権保存登記」、または相続に伴う「相続登記(所有権移転登記)」を行います。表題登記の完了後、司法書士が相続人名義での所有権保存登記を申請し、登記簿上の所有者として正式に登録されます。これにより、第三者に対し所有権を主張することが可能になり、売却や担保設定などの取引に対応できるようになります

以下に、手続きに必要な書類や専門家への依頼のメリットについて、主要な項目を整理しました。

項目内容ポイント
表題登記測量図、建物図面、建築確認書類、登記申請書など土地家屋調査士による現地調査と図面作成が必要
所有権保存登記/相続登記表題登記完了証、戸籍謄本、住民票、遺産分割協議書(必要な場合)、印鑑証明書など司法書士による書類準備と申請が安心
専門家への依頼土地家屋調査士・司法書士への依頼手間・時間・不備リスクの削減、法的適正化

まとめると、未登記建物を相続する際は、「表題登記」→「所有権保存登記または相続登記」の順に手続きを進めます。必要な書類は測量図から戸籍謄本・住民票・協議書など多岐にわたるため、専門家に依頼することで、書類不備や手続き漏れを防ぎ、スムーズな登記完了が期待できます。

まとめ

相続登記が未登記のままだと、2024年以降は義務化による過料のリスクが高まるだけでなく、相続人同士の手続きや証明がどんどん複雑化し、将来的な売却や融資も難しくなります。また、所有者不明土地の問題は社会全体にも影響を及ぼしています。相続登記は早めに行うことで、トラブルや無駄な経済的負担を回避できますので、「登記が未了かも」と思ったら、まずは適切な対応を心がけましょう。

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