収益収支診断

【収益物件】売却

田中 康寛

筆者 田中 康寛

不動産キャリア25年

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その収益物件、将来に向けて診断しませんか?


「売る・売らない」の前に、一度“今いくら利益が出ているのか”を確認してみませんか?


収益マンションや一棟アパートを所有されているオーナー様から、よくこんなお話を伺います。

「今のところ家賃も入っているし、特に困ってないから、このままでええかな」

もちろん、それも一つの考え方です。

入居者がいて、毎月家賃が入ってきて、ローン返済にも問題がない。
そうすると、わざわざ売却を考える必要はないように感じます。

ただ、収益不動産について一つ気をつけておきたいことがあります。

それは、


「現在問題なく運用できていること」と、「これからも同じように利益が残ること」は別の話


だということです。

建物は毎年古くなります。

修繕費も増えていきます。

金融機関から見た建物評価も変わります。

そして金利環境が変われば、購入希望者が組める融資条件も変化します。

だからこそ、収益物件は「売りたいと思ってから考える」のではなく、まだ余裕があるうちに、


今売ればいくらになるのか。

今後も持ち続けたらどのくらい利益が残るのか。


この二つを一度比較しておくことが大切だと思っています。

金利が上昇すると、なぜ収益物件の売却価格に影響するのか?

収益物件の購入者の多くは、金融機関から融資を受けて購入します。

例えば、同じ1億円の収益マンションでも、借入金利が低い場合と高い場合では、購入後の毎月の返済額が変わります。

返済額が増えれば、その分だけ購入者が得られるキャッシュフローは少なくなります。

そうすると購入者としては、

「この価格では収支が合わない」

という判断になる可能性があります。

その結果、

「もう少し価格が下がれば買いたい」

という買主が増えれば、売却価格にも下押し圧力がかかります。

収益物件は、一般的な居住用不動産以上に「収支」が重要視される商品です。

買主が見ているのは、単純に建物がきれいかどうかだけではありません。

家賃収入がいくらあるのか。

経費はいくらかかっているのか。

そして、融資を利用した場合に最終的にいくら手元に残るのか。

こうした数字を見ながら購入価格を決めています。


つまり、オーナー様側から見ると、金利環境の変化は将来の売却価格にも影響する可能性があるということです。

建物は古くなるほど、修繕費・維持管理費が増えていく

収益物件を長期間保有していると、避けて通れないのが修繕です。

築年数が浅いうちは、それほど大きな費用が発生しなくても、年数が経過するとさまざまな設備が交換時期を迎えます。


例えば、

  • ・外壁・屋上防水
  • ・給排水設備
  • ・給湯器
  • ・エレベーター
  • ・共用部
  • ・消防設備
  • ・空室時の室内リフォーム

などです。

一つ一つなら数十万円程度でも、それが重なると数百万円、物件規模によってはそれ以上の費用が必要になることもあります。

ここで大切なのは、


「家賃収入がある=その金額がすべて利益ではない」


ということです。

年間1,000万円の家賃収入があったとしても、

固定資産税、管理費、修繕費、保険料、空室損失、ローン返済などを差し引けば、実際に残る金額は当然少なくなります。


さらに10年後に大規模修繕が必要なのであれば、その費用まで考えておかなければ、本当の意味での利益は判断できません。

築年数が進むと「売れない」のではなく、「買える人が減る」可能性がある

ここも収益物件では非常に重要なポイントです。

建物が古くなったからといって、必ず売れなくなるわけではありません。

立地が良く、収益性があり、適切に管理されている物件であれば、築年数が経過していても十分売買されています。


ただし、問題になるのが買主側の融資です。

収益不動産を購入するとき、多くの投資家は銀行融資を利用します。

その際、金融機関は借りる人の属性だけではなく、

物件そのものの担保評価や収益性、築年数など

も見ています。

建物の築年数が進めば、金融機関によっては融資期間が短くなったり、自己資金を多く求められたりする可能性があります。

例えば、30年のローンが利用できる物件と、15年しか組めない物件では、同じ価格でも毎月の返済額は大きく変わります。

そうすると、

「物件としては欲しいけど、銀行融資がつかない」

という購入希望者が出てきます。

つまり、


築年数が進むことで物件そのものの価値がゼロになるのではなく、“購入できる人の数が減ってしまう”可能性がある


ということです。

これは、将来売却を考えるうえで非常に重要なポイントです。

「まだ儲かっているから大丈夫」で、本当に大丈夫でしょうか?

例えば、10年前に5,000万円で購入した収益物件があるとします。

現在の売却可能価格が7,000万円だったとします。

すると、

「2,000万円儲かっている」

と考えたくなります。

しかし実際には、そんなに単純ではありません。

取得時の諸費用もあります。

これまでに支払った修繕費もあります。

ローンの残債もあります。

売却時には仲介手数料などの費用も発生しますし、利益が出れば税金も考える必要があります。

一方で、その間に受け取った家賃収入もあります。

だから本当に知りたいのは、


「買った金額と売れる金額の差」ではなく、取得してから現在までに最終的にどれだけ利益が出ているのか


ということです。

ここを一度整理してみるだけでも、物件の見え方はかなり変わってきます。

一度「現在の売却可能価格」を確認してみませんか?

私たちが収益物件オーナー様におすすめしているのは、


売却するかどうかを決める前に、一度現在の資産状況を確認すること


です。

例えば、

現在売却すると、いくらくらいになるのか。

ローン残債はいくらなのか。

売却に必要な経費はいくらなのか。

税金を考慮すると、手元にはどの程度残りそうなのか。

そして、購入してから現在までの家賃収入や支出を考えた場合、

現在までにどれくらいの利益が出ているのか。

ここまで一度整理してみます。

重要なのは、


査定をしたからといって、売却する必要はない


ということです。

むしろ、売却しないために現在価格を知っておくという考え方もあります。

「現在売却」と「このまま保有」を比べてみる

さらに一歩進めて、


今売った場合と、このまま5年・10年保有した場合


を比較してみると、より判断しやすくなります。

例えば、保有を続けた場合、

今後5年間でどれくらい家賃収入が期待できるのか。

空室率はどの程度想定するのか。

修繕費はいくら必要になりそうか。

ローン残高はいくら減るのか。

そして5年後の建物は何年築になっているのか。

そのとき金融機関は、どの程度の評価をする可能性があるのか。

こういった項目を一つずつ整理していきます。

すると、

「今売った方が手元に多く残りそう」

という物件もあれば、

逆に、

「まだ十分収益が取れるから、しばらく保有した方がいい」

という物件もあります。


私たちは、何でも売却した方がいいとは考えていません。

収益物件は、オーナー様ごとに購入時期も違えば、借入条件も違います。

取得価格、現在の賃料、ローン残高、修繕履歴、築年数、相続予定などによって答えは変わります。

だからこそ必要なのが、その物件ごとの診断です。


売却するための査定ではなく、「これからを考えるための診断」

一般的に不動産査定というと、

「売るために値段を出してもらうもの」

というイメージがあります。

でも、収益物件については少し違う考え方があってもいいと思っています。


今の資産価値を確認するための査定。

そして、

これから5年・10年どうするかを考えるための診断。


この使い方です。

現在の価格を知り、

現在までの収益を整理し、

これから発生する可能性のある修繕費を想定し、

売却した場合と保有した場合を比較する。

ここまで数字にすると、

「なんとなく持っている」

状態から、

「理由があって保有している」

状態に変わります。

これは収益不動産を長く運用していくうえで、とても大切なことだと思います。


収益物件は「売り時」より「考え時」を逃さないことが大切

不動産の売却で、

「一番高い時期に売りたい」

と思うのは当然です。

ただ、最高値がいつなのかを事前に正確に知ることはできません。

だから私たちが大切だと思うのは、


売り時を当てることではなく、定期的に“考え時”をつくること

です。

金利。

築年数。

修繕。

賃料。

空室。

融資評価。

ローン残債。

相続。

こうした条件は、時間とともに少しずつ変わっていきます。

「まだ困っていないから考えない」のではなく、

困っていない今だからこそ、選択肢を確認しておく。

その方が、売却するにしても保有するにしても、余裕を持った判断ができます。

収益物件の「現在地」、一度確認してみませんか?

現在所有している収益マンション・一棟アパート・収益ビルが、

今ならいくらで売却できそうなのか。

そして、

購入してから現在まで、実際どのくらい利益が出ているのか。

さらに、

今後も保有した場合、どのような収支になりそうなのか。

一度整理してみませんか?


売却を決める必要はありません。

診断した結果、

「まだ持っておいた方がいいですね」

となることも当然あります。

逆に、

「今なら十分利益が出ているので、一度売却を検討する価値がありますね」

となることもあります。


☆大切なのは、何となく保有を続けるのではなく、現在地を知ったうえで次の一手を決めることです。

株式会社真成エステートでは、収益物件についても、単純な売却査定だけではなく、現在の運用状況や将来の修繕なども踏まえながら、「保有か、売却か」について一緒に考えるご相談を承っています。

「売るつもりはまだないけど、今いくらなのか知りたい」

そんなご相談でも大歓迎です。

まずは、ご自身の収益物件が“今どの位置にいるのか”を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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