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収益物件で築古を選ぶべきか?メリットと判断基準を解説

【収益物件】購入・【節税】対策

田中 康寛

筆者 田中 康寛

不動産キャリア25年

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収益物件を探し始めると、築年数が古い物件を目にする機会が一気に増えます。
一方で、築古と聞くと本当に大丈夫なのか、メリットとデメリットが分からず不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
しかし、収益物件として築古を上手に選べば、購入価格を抑えつつ高い利回りを狙えるなど、資産形成に役立つポイントがいくつもあります。
大切なのは、築年数だけで判断せず、構造や法定耐用年数、立地や管理状況、そしてご自身の投資方針との相性を整理して考えることです。
この記事では、築古収益物件の基礎知識から具体的なメリット、注意点、築年数の選び方までを分かりやすく解説し、初めての方でも自信を持って判断できるようになることを目指します。

収益物件の築年数と「築古」の基礎知識

収益物件とは、自ら居住するのではなく、賃料収入などを得ることを目的として保有する不動産のことを指します。
新築に比べて中古や築古の建物は建物価格が下がりやすく、その分だけ利回りを重視した投資判断が行われる傾向があります。
国土交通省も既存住宅やリフォーム市場の活性化を重要な政策課題として位置付けており、良質な住宅ストックを長く活用する流れが強まりつつあります。
まずは、収益物件と中古・築古の基本的な位置付けを押さえておくことが大切です。

中古物件の中でも築年数が相当に経過したものを、投資の場面では「築古」と呼ぶことが多いですが、その線引きは一律には決まっていません。
一般には、建物価格が大きく減価し、リフォームや修繕を前提として検討されるような築年数の物件が「築古」と認識されやすい傾向にあります。
国土交通省の資料でも、中古住宅の品質や性能への不安が課題とされており、築年数が進んだ住宅ほど、状態の見極めが重要になるとされています。
そのため、表面的な築年数だけでなく、維持管理や改修の履歴を具体的に確認する姿勢が欠かせません。

建物の価値や減価償却を考えるうえでは、構造別の法定耐用年数を理解しておくことが欠かせません。
国税庁が定める耐用年数の取扱いでは、木造住宅と鉄骨鉄筋コンクリート造などで耐用年数に差があり、減価するスピードも異なる前提で扱われています。
また、国土交通省は、既存住宅の流通やリフォームの促進により、良質な住宅ストックを長く活用することを目標に掲げており、築年数が経過していても、適切な維持管理が行われた住宅の価値を評価する方向性を示しています。
収益物件の検討では、構造と耐用年数の関係を踏まえつつ、建物の残存価値や投資期間とのバランスを考えることが大切です。

項目 木造住宅 鉄筋コンクリート造住宅
法定耐用年数の位置付け 比較的短い年数 比較的長い年数
減価償却の考え方 早期に建物価値減少 長期間にわたり償却
築古判断の目安 耐用年数に早く接近 耐用年数に余裕残存
検討時の着眼点 構造劣化と修繕履歴 躯体状態と耐久性能

築古かどうかを判断する際には、築年数だけに注目すると、重要な情報を見落とすおそれがあります。
総務省統計局の住宅・土地統計調査でも、住宅ストック全体に占める空き家の増加が示されており、立地や管理状況によって入居需要に大きな差が生じている実態がうかがえます。
また、国土交通省は空き家対策の中で、適切な維持管理や利活用を促す施策を進めており、管理状態の良否が資産としての評価に直結する方向性が強まっています。
収益物件を検討する際は、築年数だけではなく、立地条件、管理・修繕の履歴、入居需要の動向を総合的に確認することが重要です。

収益物件で築古を選ぶ主なメリット

築古の収益物件は、同じエリアで比較した場合、築浅や新築より購入価格が抑えられやすい傾向があります。
建物部分の価値は年数の経過とともに会計上減少していく一方で、土地は減価償却の対象とならないため、総額の中で土地の比率が高まりやすくなります。
購入価格が低く抑えられると、同じ賃料水準でも表面利回りが高くなりやすく、資金効率を意識した投資家に選ばれやすい特長があります。
ただし、単純な利回りの数字だけでなく、修繕費や空室リスクも踏まえた実質的な利回りで比較する意識が重要です。

築古になるほど、建物価値の減少が進み、土地の価格が資産全体に占める割合が相対的に高くなる傾向があります。
一般に土地は建物と異なり物理的な老朽化がないため、長期保有を前提とした場合、資産価値の下支え要因となりやすいと考えられます。
また、将来的に建て替えや用途変更を検討する際にも、土地値比率が高い物件であれば柔軟な選択肢を持ちやすい点がメリットです。
このように、築古収益物件は建物単体ではなく、土地と一体として保有することでリスク分散を図りやすい側面があります。

減価償却の観点では、築古収益物件は、取得後に償却できる期間が比較的短くなりやすい特徴があります。
国税庁が定める減価償却資産の耐用年数において、法定耐用年数を超えた中古建物は、残存耐用年数を一定の計算方法で短く見積もることが認められており、結果として毎年計上できる減価償却費が大きくなりやすくなります。
減価償却費は実際の資金流出を伴わない経費であるため、課税所得を抑えつつ手元資金を残しやすい点が、築古収益物件ならではのキャッシュフロー上のメリットです。
ただし、具体的な償却方法や適用可否については、個別の状況ごとに税理士など専門家へ確認することが大切です。

築古収益物件の視点 主なメリット 確認しておきたい点
購入価格と利回り 価格抑制と高利回り 実質利回りの試算
資産価値の内訳 土地値比率の上昇 土地評価と将来性
減価償却と税務 短期償却による節税 耐用年数と専門確認

築古収益物件ならではの注意点とデメリット

築古の収益物件では、まず修繕やリフォームに関する費用負担を慎重に見込むことが重要です。
国土交通省の調査では、大規模修繕は築10年台半ば以降に本格化し、2回目、3回目と築年数の進行に合わせて繰り返される傾向が示されています。
築年数が進んだ建物では、外壁や屋上防水、給排水管、共用設備など複数の箇所で同時に更新が必要となる可能性があります。
そのため、購入価格が割安でも、中長期の修繕計画と積立額を具体的に試算してから判断することが大切です。

また、築古物件は金融機関からの評価が厳しくなりやすく、融資期間が短く設定される傾向があります。
建物部分の法定耐用年数は、木造や鉄骨造、RC造など構造によって異なり、築年数が進むほど残存年数は短くなります。
この残存年数を基準に融資期間を決める金融機関も多いため、築古では返済期間が短くなり、毎月の返済額が相対的に重くなりやすいといえます。
その結果、表面利回りが高く見えても、実際のキャッシュフローは想定より厳しくなる可能性があります。

さらに、築古物件では空室リスクや賃料下落リスクにも注意が必要です。
総務省統計局の住宅・土地統計調査では、全国の住宅に占める空き家率が1割を超えており、老朽化した住宅ストックの増加が課題とされています。
築年数が進んだ建物は、周辺の新しい物件と比較されやすく、設備や外観、共用部の管理状態によっては入居者の選好から外れてしまうおそれがあります。
購入前には、現在の入居状況だけでなく、過去の空室期間や賃料推移、修繕履歴を丁寧に確認し、将来の競争力を見極めることが欠かせません。

注意すべき項目 確認の主な内容 見落とした場合の影響
修繕・リフォーム費用 過去の工事履歴と今後の計画 突発的な多額出費の発生
融資条件 融資期間と金利、自己資金比率 返済負担増による資金繰り悪化
空室・賃料水準 空室率推移と賃料の妥当性 想定利回り割れと資産価値低下

築古かどうか迷う人のための築年数の選び方

まずは、自己資金と借入可能額を整理し、毎月の無理のない返済額から逆算して購入価格の上限を把握することが大切です。
そこから想定利回りや空室率を考慮し、手残りのキャッシュフローが赤字にならない価格帯を検討します。
一般的には築年数が進むほど価格は抑えられる一方で、修繕費の備えが必要になるため、返済額と修繕積立額を合わせて家計に負担がないか確認することが重要です。
このように資金計画から見た「許容できる築年数と価格帯」の目安を持つことで、候補物件を絞り込みやすくなります。

次に、築年数ごとに収益性と修繕リスクのバランスを比較していくことが有効です。
築浅は賃料水準が高く修繕リスクは低いものの、購入価格が高いため利回りは抑えられがちです。
一方で築古は購入価格が低く利回りは高くなりやすいものの、設備更新や大規模修繕の頻度が増える傾向があります。
したがって、表面利回りだけで判断せず、過去の修繕履歴や今後想定される工事の内容と費用も加味し、実質的な収益性を比較していくことが大切です。

最後に、築古のメリットを活かしつつ無理のない投資計画とするために、段階的な検討手順を持つと安心です。
まずは資金計画と築年数の許容範囲を決め、次に候補物件の収益性と修繕リスクを比較し、さらに出口戦略として保有期間や売却時期のイメージを整理します。
そのうえで、入居需要が見込めるエリアかどうか、管理状態は適切か、空室対策の余地があるかといった点も合わせて確認すると、築古であっても安定した運用を目指しやすくなります。
こうした手順を踏むことで、築古かどうか迷う場合でも、自分に合った築年数の収益物件を選びやすくなります。

検討項目 築浅物件 築古物件
購入価格と利回り 価格高め・利回り控えめ 価格抑えめ・利回り高め
修繕リスク 当面は小規模修繕中心 設備更新や大規模修繕想定
資金計画への影響 返済額大きく安定性重視 返済と修繕積立の両立重視

まとめ

築古の収益物件は、購入価格を抑えつつ高い利回りや節税効果を狙える一方で、修繕費用や空室リスクなど注意点も多い投資対象です。
そのため、築年数だけで判断せず、構造、管理状態、過去の修繕履歴、賃貸需要などを総合的に確認することが重要です。
当社では、自己資金や融資条件から無理のない価格帯や築年数の目安を一緒に整理し、リスクとリターンのバランスが取れた物件選びをサポートしています。
築古のメリットを活かしつつ安心して投資を始めたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

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